kazokuso_flow_10-11-1024x213 家族葬の内容と流れ【4】

10. 初七日法要

仏教においては、故人様がお亡くなりになった日から数えて「四十九日目」に極楽浄土へ向かうとされていたり生まれ変わるとされていたりと、宗旨宗派により異なりますが、故人様が亡くなってから七日ごとに供養をする習慣があり、その最初の七日目に行う法要を「初七日法要」と言います。そして、この七の倍数でそれぞれ、三十五日法要・四十九日法要と言った「忌明け法要」を行います。この日(忌明け)までは故人様の霊魂の行き先が決まらないため、彼岸(ひがん:あの世)と此岸(しがん:この世)の間を御霊が彷徨うとされており、この期間を「忌中」、1周忌までを「喪中」と言います。

最近では、葬儀告別式・火葬と同日に、菩提寺の寺院または葬儀社において「初七日法要」を行うことが多くなってきました。これを「繰上げ法要」と言います。主な理由としては、(七日後に法要を行うといった)負担の軽減や、仕事等で一週間後(七日後)に再び法要のために予定を調整することが難しいなどの様々な理由が挙げられます。菩提寺においても、繰上げ法要を含め通夜および葬儀告別式を受け付けるところが多くなってきています。

初七日法要は読経から始まり、読経中に(遺族・親族の)焼香が行われ、30分ほどで終了します。宗派によっては導師(菩提寺の僧侶)に合わせて読経をすることがあります。コロナ前は、初七日法要後に「精進落とし」をすることが多かったのですが、現在では精進落としを省略し、仕出しやお弁当などで代用することも多くなってきました。また、以降の法事法要は「中陰表」(各法要の日程が書かれたもの)をもとに予定を決めていきますが、忌明け法要が平日の場合は、ご遺族ご親族の集まり等を考えて週末にずらすこともできます。その際は、前もって菩提寺の予定を確認しておく必要があります。お盆の時期は繁忙のため、菩提寺の予定や都合によっては調整が必要となってきます。中陰表は菩提寺から受け取ることも多いですが、ネットでも、命日を入力すれば各日程を表示するページが多数あります。

中陰表の日程において、関西および以西(関西より西)では、故人様が亡くなった日の前日から起算して法要の日程を決めることがあります。これを「お逮夜(たいや)」と言います。菩提寺から受け取る中陰表によっては、実際の日程より一日早い日が記載されていることがあります。これは、お逮夜に法要を行う習慣があるためで、宗派や菩提寺などで異なってきますが、これを厳守する必要はなく、遺族や親族の都合、故人様のご意思や遺言などを含めて法要の予定を決めていきます。

11. 忌明け法要(四十九日法要または三十五日法要)

上述の通り、仏教では故人様が亡くなって四十九日後に極楽浄土に向かうとされていたり、生まれ変わるとされています。この間、七日ごとに閻魔様(お不動さん)あるいは仏様から裁きを受けると言い伝えられています。Wikipediaには以下の記述があります。

死者の審理は通常七回行われる。

没して後、七日ごとにそれぞれ秦広王:不動明王(初七日)・初江王:釈迦如来(十四日)・宋帝王:文殊菩薩(二十一日)・五官王:普賢菩薩(二十八日)・閻魔王:地蔵菩薩(三十五日)・変成王:弥勒菩薩(四十二日)・泰山王:薬師如来(四十九日)の順番で一回ずつ審理を担当する(中略)

引用元:十王(Wikipedia)

故人様に対し、ご遺族が彼岸や来世での幸福を祈ることに変わりはなく、ご遺族の忌明けのための法要であるとも言えます。また、忌明け法要後に(お墓や納骨堂への)納骨を行うことがほとんどですが、四十九日法要後に納骨をしなかった場合でも、三回忌までには納骨を行うようにします。